別にもったいをつけているわけではないのだけれど、なんとなくもったいをつけたように少しずつ書くのが遅れていた読書ネタであるが、少し追いついた。
この前の日曜に読み終えた久しぶりのファン・ヒューリックである。
前作は、大学時代にすでに読んでいた「中国迷路殺人」の新訳版なので、とりあえず見送っていた。
今回の「水底の妖」(ハヤカワポケットミステリ)も実は、「中国湖水殺人」の新訳なのであるが、こちらは未読なので早々に購入したわけであるが、以前に比べ値段が上がってしまった、なんだか世知辛い。
お話は、比較的初期の設定、ディー判事は、都に比較的近い漢源に赴任したばかり。漢源は、山に囲まれた美しい湖で知られる。
地元の有力者たちが開いた船上の歓迎の宴で、判事に大いなる陰謀があることを囁いた芸妓がその真相を語ることなく殺される。
その後、そのどたばたのさなかに新婚の花嫁が嫁いだ先で殺されたとの訴えがあるが、その死体は棺から消え、その代わりに斧で頭を割られた男のしたいが見つかる。
さらに、有力者の先祖が残した不思議な棋譜やら、耄碌した大官の屋敷のことやらが絡んで、漢源の背後に渦巻く妖しき陰謀が明らかになってくる。
そしてそして、意外や意外、ディー判事は予想もしないピンチに陥ってしまうのであった。それは、読んでのお楽しみ。
さらに、本作はディー判事の後のエピソードに欠かすことのできない副官の陶侃(タオガン)が新たに仲間入り。その能力を遺憾なく発揮する。
今回も3つの事件が絡み合ってひとつの大団円へ向かって進んでいく。楽しく、飽きさせないシリーズだと思う。
本シリーズもあと少し…、そのうち「四季屏風殺人」は既読。早く読みたいやら、少しさびしいやら…。複雑。