分子間力の魔術師

タイのホテルでは、よくヤモリを見かける。灯に集まってきた虫たちを捕食しているし、時々カエルのような泣き声をあげている。
人間に見つかると、すさまじい速さで壁や天井を走り回って逃げていく。

そこで、ハタと気がつく。Gecko(ヤモリ)は、どうして壁や天井を自由に歩き回れるのか?

普通に考えると、アマガエルのように吸盤で吸い付きながら歩いているということになるのだが、実はまったく別の方法で貼り付いているのだ。
ヤモリの手足には、人間の目では判別できない程の細い毛(繊毛)がある。この繊毛が壁や天井の表面の粒子との間に引きあう力を発生させてくっついているというわけなのだ(ハエの足も同じ原理、だから汚れた足の繊毛をことあるごとにスリスリして掃除している)。
この力が分子間力(ファン・デル・ワース力)と呼ばれているもの。

分子間力というのはきわめて弱い。たとえば、水と水の分子の間に働いているのだが、それが弱くなって離れ始めると水は液体から気体へと形態を変える。
ヤモリは、とても弱い分子間力を自由に操りながら、壁や天井に貼り付き移動しているのだ。
ここで大きな矛盾が生じる、自分の体重を支えるためには、分子間力をフルに使う必要があるのだが、素早く移動するためには、それを四本の足ごとに一瞬でゼロにしていかなければならない。さあ、どうしたものか?

この分子間力、都合の良い事にある角度になると突如働かなくなるのだ、ヤモリが右前足を壁からはがそうとしたその時、分子間力が手首(そう読んでいいのかは?)から徐々に分子間力が消えていく。その結果はがれた右前足を前に出す。これを瞬時に繰り返し、素早く移動しているのだ。
まさしく分子間力の魔術師ではないか!!すごいぞヤモリ。

将来、研究が進んで分子間力を利用したヤモリテープやヤモリ手袋が出現するかも知れない。

gecko
NetscapeやFireFox(Caminoもね)の画面表示に使われているエンジンはGeckoと呼ばれている。きっと、壁や天井などの平面を自由に移動するように、どんなページを自由気ままにサクサクと表示しようということから、この名称がついたんだろう…
ちなみに、これはcaminobrowser.orgのページにあったGeckoのイメージで、agnes bではない。

© 1998-2006 The Camino Project

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