そしてBeat on Plaza

 前に、クロス・オーバー・イレブンについて書いた。
 そのクロス・オーバー・イレブンに続いて地方出身の私を襲ったのは、初の民放FM体験であった。

 四国の片隅から受験予備校に通うために京都で暮らし始めた。手に入れたAIWAのステレオラジカセ(なんと西宮の某大学の生協で学生だと偽って買った)で、好きなだけFM大阪が聴けるようになった。
 FM放送にCMが入るなど、それまではあり得ないことだった。

 そのFM大阪で平日のPM6:00〜6:55までOnAirされていたのが、”Beat on Plaza”である。P.McCartneyのテーマが流れ、それを追っかけるように「Beat On Plaza!(タイトル・コール) ハイ!タナカ(ほんの少しブレイク)マサミです。今日のアルバムは…」といった感じで田中正美氏が語り始める(この番組は開局当初からの番組で彼は三代目のDJとのこと)。

 なんと、発売になったばかりの洋楽アルバムを時間の許すかぎり全曲かけてしまうという、素晴らしい番組であった。
 健全なリスナーである私は、ラジカセの前に陣取ってPauseボタンに手をかけながら、CMのタイミングに全神経を集中していたものだ。そして、そのCMの間に45(あるいは46、そしてのちに54)分テープを裏返すののであった。
 このように、当時の貧しい学生たちは、涙ぐましい努力を繰り返して、洋楽アルバムのコレクションをしたものである。これがアルバムを買うのか、買わないのかの羅針盤としての役割を果たしてくれたのである。

 しかし、世の中にレンタルレコード屋というお手軽な商売が現れ、約1/10の価格でレコードが聴けてしまうことになり、80年代半ばに「ビート・オン・プラザ」は、実質的な役割を終えたのだ。もちろんレコード会社の協力も得られなくなったと想像できる。
 関西で暮らす我々世代の人間には、かなり重要な番組であった。

 Thanks Beat on Plaza!!

 アナログ・レコード、カセット・テープ、FM雑誌(これは完全に消えた)と我々の音楽体験のもとが、静かにステージから消えようとしている。

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