巻き返しすぎ?矢作俊彦「ららら 科學の子」読了

Lalala, The Child of Science 何とも巻き返しすぎなのだが、1日で矢作俊彦「ららら 科學の子」(文春文庫)を読み終えてしまった。元々は2003年にハードカバーで出ていたのだが、後回しになっていつの間にか忘れていた。往々にして日本人作家は後回しになってしまうのであるが…。
 今回文庫になったのを機会に早速購入、読み始めたところ止まらない。

 なんとも面白い、単純な面白さでは今年これまで読んだ中でも出色である。
 主人公は、1970年代、学生運動の中に身を置き、殺人未遂容疑者となって中国へ逃れ、30年ぶりに帰ってきた「彼」。
 「彼」が目の当たりにするのは、変わり果てた(良くも悪くも)日本と日本人。

 ’70年当時友人だった志垣が「彼」を拾ってくれる。その志垣もかなりあやしい稼業に手を染めているようで、「彼」の世話をするのは、妙な背景の日系アメリカ人やら帰国子女、さらには偶然知り合った女子高生。

 様々な変化に戸惑い、トラブルに巻き込まれ、妙な人間関係に揺さぶられながら少しずつ「自分」を取り戻す「彼」。
 なぜか、「彼」は再び中国へ戻っていくことに…。

 しびれた、本当に面白かった、ページをめくる手が止まらない。その上、ちょっと入りすぎると涙が出そうになるほどである。やっぱり、出たときにハードカバーで買っとけば良かったなぁ…。
 『スズキさんの休息と遍歴 またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行』も面白かったのだが、それ以上に良かった。
 yyさんだけでなく、telさんにも是非、お薦め。(ひょっとして読んでたりして…)

 こちらは、「彼」の世代よりも少し若いのだが、長嶋の話やら、マンガのはなしやら、少しは感じることができる、それでこれほど面白いと感じたのだから、その世代の人間にはさらにたまらない作品であろう。

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