国枝史郎「神秘昆虫館」読了

神秘昆虫館 国枝史郎「神秘昆虫館」(講談社国枝史郎伝奇文庫)を数日前に読み終えていたのだが、何の理由もなく後回しになっていた。
 これも、「名人地獄」同様にヤフオクで700円ほどで入手。ネズミか何かに軽くかじられたような傷みがあるが、中身を読むには何の問題もない。
 
 さて、お話は”永世の蝶”と呼ばれる一番いの蝶をめぐって、繰り広げられる丁々発止のやり取りと江戸の周辺にあると言われる謎の”昆虫館”の物語。
 のはずなのだが、いやいやもうなんとも中途半端な展開、この人の作品は往々にしてこのパターンが多い。

 大正末期に雑誌に連載されたもののようで、今ほどストーリーについても読者は厳しくなかったのか?

 
 ”永世の蝶”の秘密もさっぱりハッキリしないし、神秘のはずの”昆虫館”もほとんど描かれないままに、閉館となってしまうありさま、主人公の恋の行方もなんだが、すっきりしない。
 まあ、時代劇を見るように理屈抜き描写される情景を楽しめば、それはそれで面白いのだが…。
 
 大きく広げた風呂敷の隅々まで描き続けていければ、すごく途方もない話になっていっただろうに…もったいない。
 この風呂敷の広げ方が、この作者の持ち味だし、その部分を描き切るかどうかは二の次という事かな…。これだけは、間違いない、この作品から国枝史郎にとりかかってはいけない!

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