J.ダニング「災いの古書」読了

The Sign of The Book 昨日は、それまでの暑さが嘘のように涼しい一日だったが、何だか疲れがたまっているようで出かけることもなく、だら〜と過ごしてしまった。
 今日はうって変わって暑さがぶり返したようで、ぐったりである。持ち帰った仕事をやろうかとも思ったりもするのだが、何だか怠い。さすがに歳のせいだろうか…?

 で、ペースダウンをしていたジョン・ダニングの久しぶりの古書探偵ジェーンウエィ・シリーズ第4弾「災いの古書 」(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読み終えた。
 これは、読もうとしたところを妻に横取りされていたのだが、彼女がまだ手を付けていなかったようで、「大鴉の啼く冬」とトレードで戻ってきたのである。

 久しぶりの元警官の古本屋ジェーンウェイの登場である。前作の「失われし書庫」が出たのが2004年12月、そのときはまだBlogを始めていなかった訳で、ちょっとご無沙汰の印象が…。

 このジョン・ダニングはかなり気に入っていて、ハヤカワから出ている作品は、全部読んでいる(他からは出ていないと思う)。翻訳者もお気に入りの三川基好氏だったのだが、今回は別の人でどうかなと思ったが、特に違和感もなかった。

 で、今回は前作で知りあい、つき合い始めた女性弁護士エリン・ダンジェロに頼まれ、彼女の友人ローラの夫殺しの容疑について調べるために、田舎町パラダイスへ赴くジェーンウェイ。
 拘留されているローラに事件の経緯を尋ねるが、歯切れが悪く何かを隠しているようなローラ。事件は一筋縄では解決しそうもない。
 事件のカギは、夫がコレクションをしていたサイン本にあるようでもあり、ローラ夫妻の子どもたちにも…。まあ、古書探偵シリーズと銘打っているだけに古書の蘊蓄がでないとらしくないと言えばらしくないしね。そうそう、作者も古書販売業者だった、

 今回も正義と信念にしたがって前進するジェーンウェイ、とはいうものの決してスーパーマンではない、あるときは頼もしく、あるときは頼りなくである。
 パラダイスで出会う弁護士、保安官補、怪しい古書販売業者、そしてローラの子供と登場人物のキャラクターがはしばしで効いている。

 事件の真相は、最終的にはどんでん返しといえば、どんでん返しなのだが、それより何故そうならなければならなかったのか、という心の裏側が強くこころに沁みる作品だ。それに、人間の身近なフロンティア=脳のもつ不思議な側面が取り上げられてもいる。

 このシリーズ以外のダニングの作品もコナリーほどのヘビネスはないが、なかなか味わい深いものがあり、個人的にはおすすめ。
 シリーズの次作もあとがきによれば近々とのこと、これまた楽しみである。

広告

J.ダニング「災いの古書」読了」への2件のフィードバック

  1. ダニングは書架で見かけてなんとなく気になっていたので、これを機に次のローテーションにくわえようかな。こちらはディヴァーのリンカーンライムシリーズ第6弾「12番目のカード」を読了しました。今回は180年前の解放奴隷の英雄の祖先に持つハーレムの女子高生が、課題で自分のルーツを調査していると、祖先の秘密を知られては困る未詳の人物から殺し屋を差し向けられるという設定です。ストーリーはいつものように二転三転しながら進むのだが、殺し屋のキャラクター設定とタイトルにもなっているタロットカードの12番目のカードの持つ意味の関わりが趣深く芸が細かい。ストーリーのツイスト感も楽しみの一つなのだが、科学捜査の舞台裏を垣間見た気になる!(本物はこんなドラマティックではないと思われるので)のも楽しめる部分なのだ。「なるほど」とうなりながら、また無駄知識を増やして脳の領域を減らしてしまうこれこそが、リンカーンライムもののひそかな楽しみなのかもしれない。次はマドセンの「グノーシスの薔薇」の挑戦中!しばしイタリアルネッサンスに浸ります。

  2. ksbigchance

    暑い日が続いていますが、体調はどうですか?
    こちらは、クーラー病?のようで、怠い日々が続いています。
    ダニングは、ジェーンウェイもの以外にもなかなかいい作品を書いてます。地味といえば地味、ディーヴァーのような派手さはありませんが…。
    「12番目のカード」は、そろそろ古書店に出てきそうなので気にはしてますが…正直、ちょっと飽きてきてます。

    科学捜査については、どこまで真実かは不明ですが、CATVのシリーズではCSIシリーズなど、かなり盛り上がっているようです。そういった意味でもP.コーンウェルの「検死官」シリーズ(私はこの人の作品はもう読むことはないと思いますが…)とライム・シリーズは先駆的なものだったかも知れないですね。

    「グノーシスの薔薇」は出た時に気になって店頭で手に取ったことはありましたが、ダ・ヴィンチブームのあおりと、古書まち気分で、見送りました。
    仕事がちょっと忙しくなってきたので、小休止です。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中