M.スレイド「メフィストの牢獄」読了

Burnt Bones あ〜しんどい2週間だった。とりあえずのオオヤマは越えたが、次なる山が少しずつ迫ってくるような不気味な気配。まあ、何とかなるだろう。前向きに考えておくことに…(仕事なんてそんなもんだ)。

 さて、忙しい中ではあるが、少しでも現実逃避を図るためにも読書は欠かせない。昨年の9月に旧作の「カットスロート」を読んで以来のマイケル・スレイドである。
 この「メフィストの牢獄」 (文春文庫)は、新刊で購入。
 文春で出されるようになったあたりから、かなりハチャメチャ具合に拍車が掛かって、もうミステリーの枠を超えたアクション・スプラッター大作の様相を呈している。いやはや恐るべし。カナダのディーヴァーなどと惹句にはあるが、違うんではなかろうか…?
 どうやら、訳のあんばいもオドロオドロ方向へ思い切り振り込んでいて、原文のイメージはこんなのか…などと疑ってしまう。

 そんなことを思ってみても面白さは間違いない。本国カナダでの発表は世紀末の1999年で、その辺の世紀末的雰囲気が反映しているような気もするのだが、読む限り生きていないような気がする。

 登場する旧ソ連がらみの小道具(あまり具体的に書くとね…)は、もっと前面に押し出されるのかと思ったら、あららっ!とか。
 いかにも適役を世紀末っぽいカルトの教祖としているのだが、如何せん教徒は一人、その上手下は金で買われたようなロックバンドくずれ。もうひとつ消化し切れない(個人的にで、作者がと言う訳ではない)。

 翻訳タイトルで「メフィスト」と表記しているのに中身では暴走族まがいの漢字表記。この漢字表記に意味があるようには思えない。やっぱり、翻訳者のやり過ぎではなかろうか。

 内容は、古代スコットランドのピクト族の秘宝を手に入れ、ストーンヘンジの秘儀を解き明かそうとするメフィストなる人物とカナダ騎馬警察のディクラークとアメリカの元FBIの女性保安官補ボンドの戦い。
 色々下世話な仕掛けやおどろおどろしい悪趣味な拷問などなど、いつものようにスレイド節が炸裂し、息をもつかせず展開するので、600ページを超える長さもモノともせずに読み終える。

 面白い!まったくノーテンキともいえるほどの展開力。あまりの展開力に事件解決が意外にあっけない印象になってしまっている。悲劇的なことが起こっているのに、このあっけらかんとした読後の感じは不思議でさえある。
 うまいのか、いい加減なのか(そんなことは無いだろうが…)、エンターテインメントという意味では、文句なしなんだろうけどね。
 なんだか腑に落ちない…。やっぱり小道具が生きていないんじゃなかろうか…?

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M.スレイド「メフィストの牢獄」読了」への2件のフィードバック

  1. うーん!これもなかなかおもしろそうだ。図書館に行くときにメモっていかないと。ディーヴァーマイブームも一段落して先日コナリーの新作も堪能したところなので、新たな刺激を与えてくれる作家との出会いにうえているところなので、きちんとメモしていって図書館の書架の前で頭をひねらないようにしたい。若いときのように記憶力が完璧ではないので、覚えているつもりでもいざさがそうとするとはたとこまってしまうのである。進む老眼とともにこまったものである。さて、久々のボッシュは十分に楽しめました。見えざる敵との知力の勝負がスピーディーに展開していくディーヴァーの息もつかせぬ展開に物足りなさを感じていたときもときコナリーの最新刊の記事を目にし、新刊棚をチェックしていたら、なんとそこに待っていたかのように真新しい輝きを放つ「終結者」の背表紙を発見した。喜び勇んで回りを見回し(必要ないけど思わずやってしまった)コナリーの人気の高さに関しつつ、すばやく手に取り貸し出しカウンターに直行しました。待望の新作だけに大事に読みたいとおもいつつも一気に読了してしまった。改めてかみ締めてみると、ボッシュの人となりという部分での深さだけではなく、LAの町の描写に叙情感を感じられる部分が個人的にはフィットするのかなとまたひとつコナリーの魅力を発見した気分になりました。いまや娘をもつ身となったボッシュの心理描写も以前とは違う趣もあり、ノワールにもひと筋の明かりがと思えてなんとなくカタルシス感が残りました。議会作にも期待したい。現在はローテーションでディー判事シリーズを楽しんでいます。ではまた。

  2. ksbigchance

    スレイドの作品は、このBlogをはじめてから5作(かな)読んでいるので、右上の検索窓に「スレイド」と入力して過去の記事を参考にして下さい。
    渋さはないですが、とにかく派手に気持ち悪く展開するのが持ち味です。それがイヤでなければ読んでいる間はかなり楽しめます。
    ディーヴァーの最新作は古書店で見つけているのですが、いまいち触手が動きません。もう少し安くなったら…(笑)。

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