P.ドハティー「赤き死の訪れ」読了

The House of The Red Slayer 今週はやや落ち着いたこともあって読書の速度もアップ。昨晩、ポール・ドハティーの修道士アセルスタンものの第2作「赤き死の訪れ」(創元推理文庫)を居間のソファでラストで記憶を失いながらも読み終えた。

 昨年、暮れに第1作「毒杯の囀り」を読んだ。それのあとがきによるとアセルスタンと上司の呑べい検死官クランストンのコンビが面白くなるとのことだったが、確かに前作よりも2人の関係に人間らしさが増したような気がする。14世紀のロンドンが舞台ということもあり、荒んで薄暗いロンドンの描写もまた興味深い。
 この作者のもう一つのシリーズ「ロジャー・シャロット」が合わなかっただけに、こちらにがんばってもらいたいところである。

 さて、今回はあの血塗られた歴史を持つロンドン塔で元十字軍騎士の城主、ホイットン卿が無残にも喉頚をかっ切られて殺される。酔っぱらいながら現場に乗り込むクランストンとアセルスタン。

 被害者はなにやら死の予告らしきものを受け取っていたようで、かなり脅えていたらしい。そのうえあまり好人物とはいえず、評判もよろしくなかったようである。

 なかなか、手がかりをつかむことが出来ない2人を尻目に、ホイットン卿と同じ死の予告を受け取った人物が相次いで殺される。そのうえクランストンの愛する妻モードには、夫に言えない秘密があるようで、それに悩みさらに飲んだくれるクランストン。
 アセルスタンはアセルスタンで、許されない恋心と墓荒らしに悩む。

 クリスマスが迫った年の瀬の極寒の14世紀のロンドンの情景もなかなかに興味深い。さらに、ロンドン塔の描写も細かくはないが、10数年前にいった時のことを思い出させて、読んいて楽しい作品だ。

 後半に入ると何となくこいつかなと思う人物が見えてくるが、その人物の正体は思っていたものとは違っていたりする。まあ、謎解きよりも中世のロンドンと探偵2人の人間関係と彼らを取り巻く人物のやり取りが活きている。
 ディー判事とはやや趣は違うが、ちょっとした変化球として楽しめるシリーズである。

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