J.ケッチャム「閉店時間」読了

Closing Time さあ、いよいよ4年目突入。夏も本番、猛暑が続く、暑さは確かにきついが、エアコンの冷気にだるさをおぼえる今日この頃。
 進まぬ仕事にうんざりしながら、なんとか少しでもはやく終わらせて、どこかで休みを取りたいと考えてはいるのであるが…。

 昨年に続き今年もフィッシング・シーズンに仕事が立て込み、さっぱり釣行できない。まあ、タイイングもできないのでどうにもならないのである。
 どこかで一回ぐらい爽やかな渓流の風にあたってみたいところだ。

 さて、そんな中久しぶりのジャック・ケッチャムである。今回の「閉店時間」(扶桑社ミステリ)は、7月末刊の日本オリジナルの中編集。ケッチャムの新刊が出れば、いやおうなく買うでしょう…。比較的最近発表の中編4編が収録されている。
 さあ、ケッチャム・ファン、書店に走れ!

 と書いては見たが…、最初に収録の表題作「閉店時間」が、なにやらいつものケッチャムではない。2001年の9.11に衝撃を受けたケッチャムが、2003年に書いたという作品だ。
 結末に救いがないのはケッチャムらしいのだが、そこへ至るトーンが、これまでの彼からするとずいぶんとロマンチック(?)とさえいえる。しかし、この救いの無い結末以上に救いの無いのが9.11だというところが、痛い。

 次の「ヒッチハイク」は、いつものケッチャムといえる。殺人事件の公判をかかえる被告側弁護士ジャネットは、車の故障からヒッチハイクで家に戻ろうとするのであるが…。
 彼女をひろった女性が、高校時代の同級生で…、そこから話はおかしな方向へ。彼女の意思を無視するようにジャネットは、ずるずると、泥沼にはまりこんでいく。
 最後は、ミカ・ハープという不思議なキャラクターの魅力にちょっとしたカタルシスも…。

 3作目、「雑草」は、ケッチャム自身が「これまで書いたなかで、いちばん不快な作品」と太鼓判を押すエグエグ変態もの。
 冒頭からしてレイプを日々の楽しみとするアベックの行為は吐き気をもよおすほどのひどさ。その後も手当たり次第、女性を捕まえて鬼畜行為を繰り返す。
 まあ、そのまま終わるわけではないのだが…なにやらアメリカにはそんなやつがいそうなところが…。

 最終作「川を渡って」は、ウェスタンである。もちろんケッチャムの手にかかれば、ただのドンパチで終わろうはずがない。心に傷をおった登場人物たちが、地獄のような売春窟から逃げてきた女の妹を救いにいくお話。
 またこの売春窟がケッチャムらしくとんでもないし、イタイ。無法者の巣窟から少女を救い出せるのか…。当然、一筋縄では行かない結末が待っている。

 もう、一気に読んでしまった。タイプはそれぞれ違うが、少しづつケッチャムの違う面を見せられた感じである。次の長編がいつになるのかは不明だが、待ち遠しいぞ!

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