J.トンプスン「この世界、そして花火」+J.グッドウィン「イスタンブールの毒蛇」読了

Fireworks ここのところいろいろとばたついて集中力を欠いたことと、寄る年波で近くが一気に見づらくなったため、読書が全く進んでいなかった。
 ただ、全く読んでいなかったのかといえば、そうでもない。

 タイ旅行前に久しぶりのジム・トンプスン「この世界、そして花火」(扶桑社ミステリー)を読み終えていたし、タイ旅行中には、ジェイソン・グッドウィンのイスタンブールもの第2弾「イスタンブールの毒蛇」(ハヤカワ文庫)も読み終えてはいたが…。
 なんとなく、旅行後のバタバタですっかり置き去りにしてしまっていた。

 まずは、J.トンプスン「この世界、そして花火」である。本作が翻訳担当の三川 基好氏の遺業となってしまった。あとがきにもあるように三川氏の訳はトンプスン作品にハマっていた。氏自身も言葉が次々と出てきたと語っていたとのこと。
 三川氏の安らかなねむりをお祈りするばかりである。

 で、内容は本邦初のトンプスン短編・中編集、油田で働く男たちの奇妙な姿を描いた連作?酔いどれの作家の半生を描いた自伝的作品など、そして映画化もされた?という表題作。これは、未完の作品であるが、ミステリマガジンに掲載されたものとは違う…云々(これはあとがきおよびこちらを参照)。

 まあ、書かれた年代もそれぞれなのであるが、やはりどこかにトンプスンを感じさせる何かが漂っている。ただ、個人的には長編のほうが好みである。本作は、トンプスン好きのためののものかな…。
 なのでトンプスンを未読の方には、「おれの中の殺し屋」あたりからお読みいただいたほうが…。

Istanbul.jpg 「イスタンブールの毒蛇」である。オスマン帝国末期、王宮の宦官ヤシムが活躍する「イスタンブールの群狼」に続くシリーズ。
 今回は、皇帝が病に倒れなにやら落ち着かない帝都イスタンブール、ヤシムの知り合いの八百屋が暴行を受け、ポーランド大使館の居候の水売りが行方不明、さらに怪しいフランス人考古学者が、ヤシムに助けを求めてやってくる。

 そのうち考古学者も水売りも殺されて…。その背後にあるのはギリシャ独立運動が見え隠れしてくるのであるが…。
 当然、ヤシムは事件の裏を追うのであるが、古書店のオヤジやら水売りの組合長、そしてとびきり美人の考古学者の妻まで登場して、複雑な様相を呈する。「毒蛇」の正体は…?

 イスタンブールという街が、水売りなくては成り立たない街であったことを本作ではじめて知った。そして、複雑にからむ宗教と民族、これらなくしてはイスタンブールは成立しない。
 前作同様、このシリーズの真の主人公はイスタンブールである。
 さてさて、次回はいかなる事件がヤシムにもたらされるのか…そこそこ楽しみだ。 

 で、度の弱い古いメガネに変えて見ると、少し見やすくなった。それと一仕事目処がついたこともあって、読書エンジンにアクセルが入った感じな今日この頃。
 

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