J.F.デイヴィッド「時限捜査」<上><下>読了

Before the Cradle falls 本日からいわゆるお盆休みをとる傾向にあるようで仕事場は比較的落ちついた感じで推移した。
 その間隙をぬうがごとく立て続けに読書ネタを書いているというわけである。
 壱岐出張のため何かとリズムやパターンが狂ってしまって、読書もさっぱり進まなかったが、それもなんとか平常に戻りつつあるといった感じか…。

 で、そんな調子の昨晩、壱岐で読みはじめたジェイムズ・F・デイヴィッド「時限捜査」<><>(創元推理文庫)を読み終えた。最近、好作品を連発している(個人的にそう思っている)のが東京創元社である。
 未読のアン・クリーブスやら高城高やらフィデルマやらここのところこの会社の新刊が続いている。

 物語は、西海岸オレゴン州最大の都市ポートランド。ベットで眠る幼児を狙って窒息死させる「クレイドルラバー」が、この街に姿を現す。
 発端は、公園で双子のティーンエージャーが同世代の少年に絡まれた後ひとりが殺され、その手には「クレイドルラバー」の犯行を匂わせる玩具が握らされていた。
 生き残った双子のひとりは、現場で不思議な青い膚の老人に助けられ、メモを渡されるのだが、そこにはそこで起こった事件が違う形で書かれていた。
 謎の老人は、事件が起こることを知っているのか…。

 事件を追うことになるのが、幼い娘を自らの運転による事故で亡くし、一時はアルコール中毒となった刑事カイル・ソマーズ。やがて、幼い子どもを狙った事件や子どもを巻き込んだ事件が起こるのだが、そこにはいつも謎の老人が現われる。
 クレイドルラバーと謎の老人の二人の関係は…カイルはその二人を追いかけるうち、両足首から下を失った作家の女性シェリーと知り合う。
 協力しながらクレイドルラバーと謎の老人を追ううちその正体が判明する。なんと謎の老人は…。謎の老人の正体を書いてしまうと、ネタバレとはいかないまでも面白さが落ちると思うのでこの辺で。

 単純なミステリーかと思って読みはじめたのだが、そうではなかった。そうではないことが分れば、それはそれで納得がいく展開と結末なのだが、そうと気がつくまではなんとなく違和感みたいなものを感じてしまった。
 その辺の落ちのつけ方がどうかと思ったが、うまく破綻なくおさまっていると思う。
 
 さて、J.F.デイヴィッドは解説によるとマイクル・クライトン亡きあとのクロスジャンルの期待の星のようである。クロスジャンルとは、ミステリの分野にとどまらず、SFやらホラーやらの要素をうまく取り入れた作品をそう呼ぶそうである。そういうことで、最初からそのつもりで読むとどうだったのか少しだけ微妙。
 別の作品も同文庫から出版予定とのことであるが…。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中