A.クリーヴス「白夜に戸惑う夏」読了

White Night 気がつけば8月も一週を残すのみ。なんとなく今年は夏が短く感じられ、今日も残暑厳しいどころか、秋の気配さえ漂っている。
 バタバタと始まった今月だったが、少し落ち着いている。まあ、またこれからバタバタしてくるのであるが…今のうちにゆる~っと過ごして、リラックスしておくことにしたい。

で、そんなこんなであるが、昨日、アン・クリーヴスの「白夜に惑う夏」(創元推理文庫)を読み終えた。もちろん新刊にての購入である。

 日本初登場の前作「大鴉の啼く冬」に連なるジミー・ペレス警部が主人公の本格ミステリシリーズである。当然、舞台は前作同様、北海に浮かぶシェトランド諸島。
 このシリーズは、全四作の「シェトランド四重奏(カルテット)」となるらしい。

 前作の事件を解決したペレスは、その際に知り合った画家フランといいなかに、彼女と地元有名画家ベラの展覧会のオープニング・パーティに赴くが、パーティは記憶喪失の男の出現で混乱に陥る。翌朝、その男が近くの釣道具小屋で首吊り死体で発見される。
 スコットランドから前作同様テーラー主任警部がやってきてペレスとともに捜査に当たるのであるが…。

 捜査は明確な手がかりを掴めぬまま、ゆるゆると進んでいく。やがて、ベラの甥のフィドル奏者ロディが地元の名所の「穴」で転落しているのが発見され、事件はさらに複雑に…。
 身元不明だった記憶喪失男の身元も判明し、彼が島へ知り合いを尋ねて来たらしいこともわかる。
 男と島民つながりはどこにあるのか…、さらに、十数年前に失踪したしたい発見者の兄とベラたちの過去が事件に影を落とし始めるのだった…。

 前作の季節が冬だったこともあって、空に立ち込める雲のような重苦しさがあったが、今回は白夜の夏が舞台、前作ほどの暗さはないが、決して軽くもない。
 しかしながら、確かな手ごたえがあり、本国でも評価されてるのがよくわかる作風だ。

 派手なアクションも意表をつく展開もないが、島という閉鎖的な社会の濃密な人間関係を軸に、シェトランドの風景を巧みに取り込みながら描かれた好作品。
 前作は「黒」、今回は「白」残る2作は、「青」と「赤」となるようで、全部で「四季」になるという、なかなか凝ったもののようだ。

 話はかわるが「始末屋ジャック」の新作が9月末に扶桑社から出るようだ。今から楽しみである。

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