溜まっている読了本、まずは横山秀夫もの

Shinso NZから帰国して読み終えたもののたまったままの本が数冊。そのなかからまずは、横山秀夫の「真相」(双葉社<現在は文庫化>)、「顔 FACE」(徳間書店<現在は文庫化>)、そして最近作「看守眼」(新潮文庫)の3冊。
 これで、「出口のない海」以外の出版されたものは読み終えたはずだ。どれも、NZから戻ってBook◯ffで105円、200円でゲットしたもの。

 やっぱり日本人作家の作品は、すんなりと読める気がするな。それなりにバタバタした年末であったが、それぞれ1〜2日で読み終えることができた。もちろん横山氏のウマさと面白さも大いに関係があると思われるが…。

 読了順に「真相」から。
 ついに逮捕された優等生だった息子を殺した男の口から語られる息子の姿とその事件の文字通りの真相とは…「真相」。
 村長選挙に引っ張り出された男が選挙結果より気にせねばならない「18番ホール」
 リストラされアルバイトで医薬品開発の被験を行った男が陥った不眠により、真夜中の徘徊で見たものがきっかけとなって…「不眠」
 大学の空手部で起こった部員の溺死事件、生き残った(読めばわかる)新入部員たちの10年後にかかってきた1本の電話が引き金となる「花輪の海」。
 刑期を終えフツウの生活を送ろうとする男が住む家を終われ行き着いた先は、末期ガンの老人の養子だったのだが…「他人の家」を収録。

Kao

 十八番の県警ものではなく、ある事件のその後を描き、そこへ繋がる事件そのものとそれに関わった人間たちの心をえぐり出す5編。時にはその後にこそドラマがあるのかもしれない、作者はどの作品も手堅く物語に仕上げてくれている。

 お次は「顔 FACE」、これは帯によると仲間由紀恵主演でTVドラマ化されいるが、もちろん?未見である。
 主人公の似顔絵婦警・平野瑞穂は少女時代から婦警に憧れ、その夢を実現したはずだったが、ある事件で描いた似顔絵で犯人は逮捕されたのだが、その似顔絵は…。その一件で鑑識から広報へ移動させられた。
 その彼女が、真の警察官、婦警へと目覚めていく姿を描いた連作である。これもいつもの横山節ではあるが、若い女性ということもあってややライトなテイスト。「陰の季節」のスピンオフ作品?

Kanshugan 最後は「看守眼」。これも短編集。
 刑事になれず29年間も看守を務めた男の刑事ではないその眼が見るものは…「看守眼」。
 地方でライターをする男がありついた高額の仕事は、地元の大物経営者の自伝だったが、この経営者とライターの間には…「自伝」。
 家庭裁判所の家事調停委員会の委員の「それしきのことで」が引き起こす意外な調停の結果は…「口癖」。
 警察のHPがハッキングされ、そのもみ消しに動く担当者が陥る負のスパイラル…「午前五時の侵入者」。
 取材現場を離れ編集作業へ回った元記者がおこした誤植とその後処理がある殺人の真相をあぶり出す「静かな家」。
 若い有力な同僚が現れ、知らず知らずに陥った不安は、そしてその不安を引き起こしたのは以前の自らの行為が…「秘書課の男」。

 どの作品もある立場にはまってしまうと見えなくなってしまう側面が、意外な方向から見えてくる、そんな状況を描いたもの。重すぎず手堅く心に訴える。

 この人の作品はミステリーというジャンルを飛び越えているといえるかも。
 

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