J.テオリン「黄昏に眠る秋」読了

tasogareni_nemuru_aki.jpg 4月になって落ちつくはずが細々としたことに躓いて、思ったよりも落ちつかない日々となっている。そういった状況下で読書には身が入らず、何冊かを途中でほっぽり出してしまい、なんとか読み終えたのがヨハン・テオリンの「黄昏に眠る秋 」(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)というわけである。
 しかし、思いの外あの地震が、色んな形で生活に影響を及ぼしているようで本当にすっきりしないままで4月も終盤、GWを迎えようとしている。

 さて、「黄昏に眠る秋」であるが、これは前回書いた「二流小説家」に続く新生ポケミス入魂の新人作家ものの第2弾で英国推理作家協会賞最優秀新人賞を受賞したスウェーデン作家のデビュー作。

舞台は霧に包まれるエーランド島、20数年前の霧の立ちこめる日にひとりの少年が忽然と姿を消してしまう。
 その母親ユリアのもとに引退した父イェルロフから少年の履いていたと思われるサンダルが送られてきたとの知らせが届く。ユリアは数年ぶりに島へ向かうのだった。
 そこで彼女を待っていたのは、思わせぶりなイェルロフの言動、それに少しばかり振り回されながらも、息子を失ったことになんとかけじめをつけようと葛藤するユリアであった。
 
 事件のカギを握る男ニルス・カントという男の第二次世界大戦終戦間際から事件の直前までの物語と真相を追うイェルロフとユリアの物語が入れ替わりながら展開していく。
 ニルスという少し異常な男の存在にユリアも読み進めるこちらも引きずられていくが、老人探偵イェルロフは何かをつかんでいるようで、多くを語らないままひとり事件の核心へ突き進んでいく。

 少年を連れ去ったのはニルスなのか…、ニルスの過去がエーランド島で今を暮らす人々に意外な影を落し、まるで霧のように事件の真相を包み隠してしまっている。
 当然少しづつではあるが、霧が晴れていくのであるが、老人探偵イェルロフの危機一髪、そして意外な真犯人と駄文で書くと派手な展開のように思うかも知れないが、これがしっかりと落ちついて書き進められていてとても新鮮なのである。

 原題がどういう意味なのかは不明ながら、「黄昏に眠る秋」という日本題とカバーのイラストが醸し出す雰囲気がストーリーにマッチしている。ポケミスの前作「二流小説家」も悪くなかったし、ポケミスは気合いが入っている。こうなると5月刊行の「逃亡のガルヴェストン」も気になるところである。

 こちらも以前の更新ペースとはいかないまでも気合いを入れ直していきたいと思う今日この頃ではある。まだまだ10冊以上積み残しがあるし、ストレスを解消するように入手したCDは山のように積み重なっているのであった。

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