横山秀夫『64(ロクヨン)』を読了

Uchu_kan

 昨晩というか、明け方というかに横山秀夫『64(ロクヨン)』を読了。
本年の話題作となることは、間違いなかろう。

 一昨日購入で600ページを超える作品ながら、あっという間に読み終えてしまった。ストーリーがどこへ向かっているのかわからないのだが、とにかく次が気になり次々とページをめくらせる。

 舞台は、横山作品ではおなじみのD県警、もちろん要所々々で二渡調査官も姿を見せるが、主人公は刑事上がりの広報官三上。
ストーリーの鍵は、昭和64年に発生した未解決の誘拐事件をめぐる様々な人間模様。
 警察庁と県警、報道と警察、刑事と警務、上司と部下、夫と妻、親と子、被害者と容疑者…本当に様々人間模様が複雑に絡み合いながら雪面を転がる雪玉のように入り乱れながら膨らんでいく。
 だが、その行き着く先は…。

 中盤のメインとなる「警察内の政治」が、当方には少しくどい印象もあったが、ラストの大いなる解放のための抑圧と考えれば、それもむべなるかな…。

今 回は、表紙写真ではなく読後に一層印象深い口絵の写真とさせてもらった。

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横山秀夫『64(ロクヨン)』を読了」への1件のフィードバック

  1. 辰巳 安英

    横山氏の作品はほとんど読了しています。が、今回の『64』は、いちばん印象的でした。平明な中に人間の誇り、矜持が描写されております。そして誰もが持っている出世欲などもきちんと書かれ、人間の心の上澄みだけでなく、かなり掘り下げて描かれているので、共感も出来ます。これほどの大作を生むのにはどれだけのエネルギーが要ったでしょうか。作品の根底には人間への深い信頼も覗きます。三上夫妻の懊悩、そして互いを思いやる心なども胸を打ちます。
    子供を誘拐された親の苦しみは、体験のない人間には所詮、同情という感情以上の共感は出来ない、それを犯人にわからせるために、同じ恐怖を与える。
    このあたりもリアルです。人間は、やはり他人事は他人事なのでしょう。
    当方もいろいろと悩みがあって、友人などに相談しますが、やはり分かって貰えない。そのときの孤立感も読者に納得させます。
    読み進みながら哲学的な思想へ読者を導いてゆき、考えさせられることの多い作品でした。手元に置いておき、何度も読み返したい一冊です。横山さん、ありがとう。

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