先週のうちにフェルディナント・フォン・シーラッハの『禁忌』(東京創元社)を読了。
通常のミステリと呼ぶには無理のある展開であるが、事件が起こり、裁かれる者、裁く者、弁護する者が登場する。
主人公?エッシェンブルクは、貴族の末裔で特殊な色彩感覚を持った写真家である。前半は彼の生い立ち、その後は検察、弁護士、裁判の経過が描かれる。
もちろん事件が起こり、エッシェンブルクは逮捕され、自白し…という展開。
何かを書くとネタバレになりそうなのでここまでとする。
相変わらずするどくシンプルな文章、原文もそうなのだろうが、翻訳の酒寄さんの力もあるのだろうと毎度痛感する。
当然、エッ?となるような結末も…難解といえば難解、シンプルといえばシンプル、今回もシーラッハの罠に嵌まるのであった。