坂口安吾『不連続殺人事件』(双葉文庫)と日影丈吉『非常階段』(徳間文庫)を読了

  久しぶりの好天の週末の上に3連休だったが、細かな自宅作業ありだった。
初日に近所に買い物と昼食を摂るために出かけただけで、なんとなくダラ〜っと。
一応、温故知新読書の坂口安吾『不連続殺人事件』(双葉文庫)と日影丈吉『非常階段』(徳間文庫)を読了。

『不連続殺人事件』は、純文学サイドからの殴り込みということの上に犯人あての懸賞までかかったいわくつきの作品。
「探偵小説」を読み始めたころ読んだような記憶があったのだが、内容について記憶がない。
古書で買うだけ買って読んでなかったのかも…。
お話は、地方の大家に招かれた作家・芸術家たちが殺されていく。その数は結構多い。
それは、登場人物が多いことともつながっているのかも(ネットを検索すれば相関図が出て来る)…懸賞もあるし、一見ややこしくするのが狙いか。
そのうえ、その数多い死が日々の出来事化していて、暗さがない。ただただ犯人当てのために作られた展開に引っ込まれて行く感じ。

面白くなくもないが、ちょっと集中力を欠くとページを戻らねばならなくなる。色んな意味で問題作。
ちなみに、昭和24年、第2回「探偵作家クラブ賞」長編賞を受賞。

もう一つは、昭和35年に発表の『非常階段』。
ある海運会社の女性社員採用にからんで起こる殺人事件。この頃の女性の就職はとても大変だった。そんな社会背景が事件に絡む。
真犯人と殺人を隠そうとする者と警察とちょっとした入れ子のようになっている。
好きな作家なのだが…。
誕生した頃の徳間文庫で、SFアドベンチャー誌やしおりの東亜国内航空の広告が、懐かしい。

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